ひとり親家庭避難者の原子力損害賠償紛争解決センターへの集団申立てにおける 和解成立について

2013-12-24

 ふくしま原発損害賠償弁護団は,2011年(平成23年)11月30日,福島県弁護士会各支部所属の弁護士が集まって,事業者,非事業者を問わず,被害にあった方々の完全賠償を実現するために設立された弁護団です(現在の弁護士数は56名)。

ふくしま原発損害賠償弁護団では,平成24年11月13日付で、原子力損害賠償紛争解決センター福島事務所に、政府指示等による避難の対象区域に居住していたひとり親家庭(いわゆる母子家庭)7世帯合計18名による集団和解仲介申立て(以下「本件集団申立て」といいます)を行いました。

本件集団申立てにおいて、当弁護団は、ひとり親家庭が,今回の原子力発電所事故により両親が揃っている家庭に比較して極めて過酷な状況に置かれ、大きな精神的苦痛を受けたとして、平成23年3月から同年12月までの慰謝料の増額を求めていましたところ、平成25年12月17日、東京電力株式会社と7世帯合計18名全員との間で和解が成立しました。

和解の内容についてですが、慰謝料増額要因として、①避難の大変さ(移動回数の多さ)、②避難による周囲のサポート環境の変化(親族からのサポート環境、近隣からのサポート環境、職場環境等)、家族の別離、強度のストレスによる子どもへの影響等、避難先での生活における精神的苦痛の増大が考慮され、7世帯合計18名全員について、慰謝料増額が認められる結果となりました。

具体的には、1世帯につき、原発事故直後は1ヶ月18万円から27万円、原発事故から一定期間経過後は1ヶ月12万円から27万円の範囲で慰謝料増額が認められています。
なお、それぞれの家庭の事情によって、平成23年3月から同年12月まで増額幅が一定の世帯もあれば、原発事故後一定期間は増額幅が大きく、その後増額幅が小さくなっている世帯もあります。
平成23年3月から同年12月までの慰謝料増額部分の合計金額は、1世帯あたり138万円から240万円の範囲となっております。

今回の和解は、「ひとり親家庭であること」そのものを理由に一律に慰謝料が増額されたものではなく、避難経過や子どもの人数や年齢によって個々の世帯に慰謝料増額の幅には差があります。
しかし、前述した慰謝料増額要因の②は、どのひとり親家庭にも共通して該当しうる事項であり、実際に、本件集団申立てを行った7世帯全てが、慰謝料増額要因の②を強く満たすと判断されています。
したがって、今回、和解が成立したことは、ほかのひとり親家庭(母子家庭にかぎらず父子家庭も含む)についても慰謝料増額の可能性が広がるという意味で、大変意義のあることだと思います

当弁護団は,被害にあった方々の完全な賠償を実現するため,今後も逐次,原子力損害賠償紛争解決センターへの申立て等をしていく予定です。

ふくしま原発損害賠償弁護団
共同代表 弁護士 岩渕 敬
共同代表 弁護士 齊藤 正俊
事務局長 弁護士 渡邊 真也
弁護団電話:024-922-2974
ホームページ:http://fukushimagenpatsu.bengodan.jp/

Copyright(c) 2013 ふくしま原発損害賠償弁護団 All Rights Reserved./平成23年度社会福祉振興助成事業